比嘉初枝さん「手作りちんすこう」

art of tida

2006年06月20日 23:58


街中から海伝いに15分のドライブ。
真っ白な砂浜で有名な前浜ビーチに近い与那覇は、キビ畑に囲まれた静かな集落。
1年前に、長らく誰も使っていなかったボロボロの民家を借り受け、
ペンキ塗りから網戸貼り、カウンターづくり、と
たくさんの人たちの助けを借りながら、三人娘と一緒に手を加えてきた。

いつになったら開けるのか~
と近所の人に言われ続けたその「加工所、兼カフェ」のお店が、ようやく7月1日に開店するという。

「店のなまえ?737(みなみ)よー。737番地だから(笑)」

何ともおおらかな店の主が、比嘉初江さん。
まだ小さかった娘たちのためにお菓子作りをはじめて、気づいたら30年。

娘たちもそれぞれ成人し、自分のやりたかったことを始めるのは、今しかない!
そう思い立ったら、続けてきた福祉の仕事も定年まで待てなかった、と。

7月からはこの小さくてかわいらしいお店で、
観光客に郷土料理やお菓子作りの体験をしてもらったり、
週末はカフェとしてそれらを味わってもらうのだそう。

ところで「ちんすこう」は、琉球王朝の時代から伝わる、沖縄を代表するお菓子だが、
「実は、高校生になってはじめて知ったのよ」
と打ち明けてくれた。
沖縄(本島)に行った人が、お土産に買ってきてくれた、という。
島が貧しかった時代、ちんすこうはお土産にあげるもので、自分で買えるものではなかった、とも。

現在、宮古島で唯一、ちんすこうを作っている比嘉さんのオリジナル・レシピが、
自家菜園で育てたローズマリーをまぶしたもの、
そして、地元でつくられた宮古味噌をねりこんだもの。

何百種類と出回っている沖縄土産のちんすこうだが、
ほかにはない、まさに「宮古島産」ちんすこうだ。

ひとつづつ、握った跡までわかりそうな「手作りちんすこう」に、
宮古島の母の想いを感じるのは、きっと私だけではないでしょう。

ということで、比嘉初枝さんの「手作りちんすこう3種セット」
セレクトe-shopでおすそ分けします!
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